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スピッツ

知っている人は知っているのですが、もるもっとというバンドは、高校1年の結成当初(当時のメンバーは僕ひとりですが)スピッツのコピーを3ヶ月ぐらいやっていました。で・す・が・あまりに下手だったので嫌気が差して、「よーし俺が曲作って自分でやれば、どんなに下手だろうとこれがオリジナルだ!」と言ったか言わなかったかは知りませんが、とりあえずへんちくりんな曲を書くようになったのでした。

当たり前ですが、人間にはその年齢なり境遇なりの時にしか作れない曲があります。スピッツも例にもれず、僕はインディーズ音源も含め初期のスピッツがとても好きでした。もちろん、今でもかかさず新譜は聞くし、時にはライヴにも足を運ぶのですが、こころのどこかで、あの頃の曲やってくれないかな…?と思ってしまう自分がいたのも事実でした。

新しいアルバムがでたので、発売日の前の日、帰りが遅くなったので下高井戸のツタヤで…という裏技を使い購入。たぶん、彼らの新譜をリアルタイムに手にするようになって、初めて、「自分の知らない頃のスピッツに…戻らなくてもいい」と思えたのが今、とてもうれしいのです。

世の中には奇抜なことをしたり、機を狙ったりしたりと、あの手この手で人の心を掴もうとする人がいます。音楽業界でもそういう人はよくいます。その一方、ほとんどの人は普通に生活して、それでも毎日、一生懸命生きていて、もしかしたら、少し物足りない…と感じることもあるかもしれません。

普通に毎日小さく小さくしか頑張れない人は愚かなのでしょうか。僕はこのアルバムが、「普通に暮らす多くの人々はとても素晴らしいんだ」と表現している気がして、それが本当に素晴らしいと思います。彼らは今年40歳。それが若さゆえに生まれた作品たちを忘れさせてくれることが、また本当に素晴らしい。

来週21日はもるもっともライヴなので、ぜひ今しか奏でられない世界を届けたいと思います。僕たちはビッグになるつもりも自分たちを誇張するつもりもありません。そこに居合わせた人が、毎日暮らす中で、ちょっとばかし音楽を聴きに行くことに、感動とか衝撃なんて大げさなことまでは求めていません。日々を大事に暮らす人が、「今日はとてもいい日だったな、明日もそんな日にしよう」と思って、また日常に帰れるように全力でがんばるだけです。20代3人、40代1人が奏でる不思議な音で、それがうまくできるといいな、と思います。